睡眠には「睡眠構造」という概念があり、
いわゆる「深い睡眠」「浅い睡眠」といったように分類することができます。
人は、深い睡眠では副交感神経が優位となり、体動が少なくなったり、脈拍が少なくなります。
呼吸も浅くなります。
スマートウォッチの睡眠トラッキングでも、「深い睡眠」「浅い睡眠」といった睡眠深度を判別できるアプリが多いです。
深い睡眠で、心身、特に脳がしっかり休息できるということで、この深い睡眠の時間を増やすことが質の高い睡眠を確保する1つの指標になっています。
そんな中、最近時々耳にするのが、
「睡眠が浅いときは、やっぱり心拍数が高い!」
という言葉。
このような言葉の意味するところは、
「ストレスなどがあり、眠りが浅いので心拍数が高い。
なので、浅い眠りはやっぱり休息としてはよろしくない。
ストレス軽減して深く眠ることができれば、心拍数も低く穏やかになるだろう。」
ということ。
一般的には、その通りなのですが、、、
スマートウォッチの睡眠トラッキングでは、体動だけで睡眠を判別するアルゴリズムですと精度が低いことがわかっています。
したがって、体動に加えて、心拍に関連するデータも加味して睡眠やその深度を判断しています。そのデータの中には当然心拍数が含まれています。
つまり、スマートウォッチにおいては、
「浅い眠り」の時は心拍数が高い!
というよりはむしろ
心拍数が高いので「浅い眠り」と判断している!
という表現のほうが妥当と思います。
睡眠深度と心拍数の関係を客観的に評価するには、ポリソムノグラフィー(PSG)といった脳波などもっと多くのパラメーターを使用した機器で評価する必要があるでしょう。
“スマートウォッチの睡眠深度と心拍数” への4件のフィードバック
睡眠の質に関心を持ちはじめてスマートウオッチの睡眠トラックで、睡眠習慣を改善しようと思っています。心拍数が67となると、赤い色に変わるので、睡眠中の心拍数を下げたく、如何にしたら良いかネットを見ました。心拍数は、年齢も関係しているのでしょうか?私は76歳の女性ですが、60以下にするには、日中の運動など、食事、休養、色々試すのが良いのか、それとも67でも無視して良いのかお尋ねします。
何が最善なのか
景山 里花様、コメントありがとうございます。
一般的に安静時心拍数が速い場合は、何らかの病気が潜在していないかを検討することが基本です。心臓病やホルモン異常(甲状腺など)、貧血/鉄欠乏、、など。そのような病気が存在しない場合は、過度の心配は
要らないと思います。67でしたら無視しても良いです。運動や適切な食事(栄養)、睡眠(休養)の充実で安静時心拍数は低下することも期待できますが、そうでなくとも是非実践した方が心身には良いことであり是非お勧め致します。
ここのコメ欄であっているのか分かりませんが丁寧な返信を拝見し、藁にもすがる思いで相談させて頂きました。
私は現在頻脈性の不整脈を患っており治療中です。以下長くなりますが読んでいただけましたら幸いです。
現在23歳 女
医療関係で病院に勤務しており、パルスや血圧計など自分用のものを持っています。(+スマートウォッチで心拍数は24時間計測してます。が、数分の間で大きく上下する為正確性はやや乏しい)
高校生くらいから立ちくらみはしていたのですが、去年辺りから臥位・座位:60~70 →起立:150~160と一気に頻脈になり、動悸・息切れ・暗黒感・ふらつきが立つたびに起こる。数分かけて徐々に100~120辺りまで落ち着く。その状態で臥位になると一気に50台まで下がり、徐々に60~70台に戻る。というような症状が出だし、仕事上差し支えることが多くなったため受診しました。
1週間のホルターをとったり色々検査した結果、心房頻拍の疑いがあり、確定ではないがアブレーションが有効な可能性が高いとのことで手術を受けました。
しかし手術では心房頻拍と確定できるような反応が出ず、洞結節の一部を焼き切り終了。ミドドリンとビソノテープで今は治療中です。
手術前に比べるとかなり楽になりましたが、それでも140近くまで上がることもしばしばあります。
そして現在、薬が効いていないと思われる夜や朝方の時間帯の臥位(※睡眠中では無いです)で脈拍43~55位がかなり多いです。(昼は仕事中のため分からない)座位以上では平均70-80位ですが座位でも50台の時もたまにあります。
脈の落差によりしんどさと疲労感が強く、仕事や日常生活に影響があり、大変悩んでいます。何か疑われる疾患や、何かいい治療法・対策などあれば助言頂きたくコメントさせて頂きました。長くなり申し訳ありません。
コメントありがとうございます。辛さそうな症状で、しかも電気生理学的検査、アブレーションといったかなり専門的な対処までされていてもなお解決しきらず、さぞかしお困りのこととお察しいたします。心臓自体に関しては精査されているようですが、一方で心臓以外の面はいかがでしょう。心臓外の何らかのコンディションが主因になっているかは別として、それらを整えることは大前提となります。生活習慣(食事、運動、睡眠、ストレス、、)はいかがでしょう。特にタンパク摂取不足、鉄不足などが体調不良の増悪因子になっているにもかかわらず通常の健診や採血では見逃されているケースが多々あります。こちらの記事も参考にしてください。ご受診頂ければその辺りも含めてチェックいたします。ご検討頂ければ幸いです。
https://clinic.zenplace.co.jp/2843/
https://clinic.zenplace.co.jp/2872/