高血圧
日本の高血圧患者数は4300万人,そのうち3100万人が管理不良と推測されています。
大変患者数が多い反面、その対策がおざなりになりがちなのです。
初めは、痛くも痒くもありませんから放置しがちなのですが、ボディブローのように様々な臓器にじわじわと悪影響を及ぼしていきます。
そして、突然、脳卒中や心不全、急性大動脈解離など重病に陥ったりすることがあります。最悪、寝たきりや突然死にもなるわけです。
したがって、早めに対策を講じておくに越したことはありません。
高血圧治療ガイドライン改訂
この4月末にガイドラインが5年ぶりに改訂されました(「高血圧ガイドライン2019」)。
残念ながらネットでの無料公開はしていません。
日本循環器学会やアメリカ心臓協会、欧州心臓病学会などは様々なガイドラインを無料公開しているのですが、日本高血圧学会は異なるスタンスのようです。
無料公開して、たくさんの人に知ってもらえば良いのにと思うのですが、色々な事情があるのでしょう。
以前よりも厳しい基準に
本題ですが、
高血圧の基準値は従来通り、診察室血圧140/90mmHg(家庭血圧135/85mmHg)です。
ただ近年、120/mmgを超えると心臓血管のトラブルが増加するという研究データが集積された結果、
・収縮期血圧120-129 かつ 拡張期血圧<80 mmHg でも正常高値として、生活習慣是正が必要
・収縮期血圧130-139 かつ/または 拡張期血圧80-89 mmHgは「異常(高値血圧)」として、生活習慣是正を積極的に行う
と以前よりも厳しい基準になりました。
高血圧学会から出ている動画も参考にしてください。
治療目標に関しては、年齢や、脳血管疾患、腎臓病など持病により異なってきますので主治医にご確認ください。
WHOによる高血圧対策
どんな方でも共通の高血圧対策として、WHOから注意喚起のイラストが出ています。
とりあえず、これらの項目を心がけるとよろしいかと思います。
・塩分摂取5g/日以内
・果物と野菜を定期的に食べる
・飽和脂肪酸、トランス脂肪酸を避ける
・禁煙
・節酒
・毎日身体的に活発でいる
最近WHOはこのような親しみやすい図を色々と発表しており、素晴らしいです。