晩酌習慣は一杯でも心房細動リスクをあげる

投稿日: カテゴリー: デジタルヘルス循環器食事

心房細動は非常によくある不整脈の1つです。年齢と共に罹患率が上がりますので高齢化社会の現代ではコモンディジーズとして捉えられています。

心房細動の問題点は、心不全や脳卒中を助長し生命予後やQOLを低下させ、本人のみならず周囲への影響も大きい点です。つまり、個人のみならず家族や、社会の問題でもあります。

そんな心房細動と「飲酒」に関連する新しいメタ解析論文が発表されました。



心房細動と飲酒の関係

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33438022/

Alcohol consumption, cardiac biomarkers, and risk of atrial fibrillation and adverse outcomes.

Eur Heart J. 2021 Jan 13:ehaa953.

ヨーロッパの約10万人を対象にした研究。対象者の年齢の中央値47.8才(24-97才)。追跡期間の中央値は13.9年。飲酒量の中央値は3g/日(平均8.7g/日)。
アルコール摂取量と心房細動発症の関係を調べました。

結果、アルコール摂取量と心房細動発症リスクには以下の関連が見られました。

1日1杯 16%上昇
1日2杯 36%上昇
1日3杯 52%上昇
1日4杯以上 59%上昇


(1杯=純アルコール12g)

この論文では1杯=純アルコール12gとしています。

純アルコール12gとは、おおよそ以下の量です。

・ビール( 5%) 300ml
・酎ハイ/ハイボール(7%) 214ml
・酎ハイ/ハイボール(9%) 167ml
・ワイン(12%) 125ml
・日本酒(15%) 100ml
・焼酎(25%)   60ml
・ウイスキー(43%) 35ml

缶ビール350mlを1本毎日飲んでいると16%心房細動発症リスクが上がるということです。

この論文の結果をグラフにしたものです。



グラフの縦軸は心房細動発症のリスクです。横軸は1日あたりのアルコール摂取量(純アルコール)です。

全くアルコールを飲まない人のリスクを「1」としています。少量の飲酒から徐々にリスクが漸増していることがグラフだととてもわかりやすいです。



少量の飲酒でも心房細動発症リスク上昇

この論文のポイントは、

「少量の飲酒でも心房細動発症リスクを上昇させる」

という点です。

これまで、中等度以上のアルコールの摂取で心房細動発症リスクが上昇することは知られていましたが(J Am Coll Cardiol. 2014 Jul 22;64(3):281-9)、今回1杯の飲酒でもリスクが上昇することが示された点はとてもインパクトがあります。



心房細動になりたくなかったら


心房細動になりたくなかったらどうすれば良いのでしょうか。

心房細動になるリスクを最大限に下げたいのであればアルコールに関しては、禁酒一択になります。

その他、一般的に高血圧や糖尿病、肥満、喫煙などは心房細動を助長する因子として知られていますのでこの辺りの是正が推奨されます。

心房細動になりたくないけれど、禁酒はしたくない、、、、という方も多いことと思います。そのような方は、

・飲酒量はできるだけ少なくする。
・運動する
・7-8時間を目標に睡眠時間を確保する
・バランスの取れた食事を心がける
・ストレスを緩和する

という、なんとも当たり前(ですがなかなか実践できない)のことになります。

それに加えて、Apple Watchの心電図機能を活用し、心房細動モニタリングで早期発見を目指し、早期治療につなげるのがよろしいかと思います。


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