布施淳です。安静時心拍数がその後の生命に影響する話をしましたが、その測定方法を確認しておきましょう。
研究によって微妙に測定方法は異なっていたりします。
中でも信頼できそうな方法は、ヨーロッパ高血圧学会が2006年にコンセンサス会議で提案したものでしょう。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16531784
① 静かな部屋で、少なくとも5分間、座位で安静にします。
② 30秒以上脈拍を測定します。
③ 少なくとも2回繰り返します。
この平均をとるわけですが、30-40拍の平均を取れば信頼性は確保出来るであろうとしています。
心電図で測定するとより正確になります。が、コストも手間もかかってきます。
座位では、仰臥位より心拍数は1-3拍/分早くなります。
皆様が、ご自宅で「安静時心拍数」を測定するときは、上記の①ののちにウエアラブルデバイスや、スマートフォンで測定すれば、参考になる値が得られそうです。
夜間就寝時は、一般的には副交感神経が優位になり、心拍は遅くなり、50/分を下回る人も少なくないです。
臨床研究における「安静時心拍数」は、就寝時のデータではないことがほとんどのようです。
ということで、就寝中は確かに安静ではありますが、一般的に「安静時心拍数」とは、就寝中のものではないと考えたほうが良さそうです。