ピラティスが成人のADHDの症状の軽減に有効である可能性

投稿日: カテゴリー: ピラティス脳神経



ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)とは、「注意欠陥多動性障害」のこと、つまり「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつです。

小児期に問題となることが多いですが、成人においてもしばしば問題になります。

以下のような項目に、頻繁に当てはまるようであればADHDの疑いがあります。
(成人期の ADHD自己記入式症状チェックリスト (ASRS-v1.1) より)

1 .物事を行なうにあたって、難所は乗り越えたのに、詰めが甘くて仕上げるのが困難。

2. 計画性を要する作業を行なう際に、作業を順序だてるのが困難。

3. 約束や、しなければならない用事を忘れた。

4.じっくりと考える必要のある課題に取り掛かるのを避けたり、遅らせたりする。

5. 長時間座っていなければならない時に、手足をそわそわと動かしたり、もぞもぞしたりする。

6. まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になったり、何かせずにいられなくなる。



※詳しくは、こちらを参考にしてください。
https://www.hcp.med.harvard.edu/ncs/ftpdir/adhd/18Q_Japanese_final.pdf


もし半年以上にわたりこのような症状に悩まされ、日常生活に支障が及んでいるような方は心療内科や精神科の医療機関を受診されることをお勧め致します。



さて、成人において、このようなADHDの症状の軽減にピラティスが有効かもしれないという研究が報告されました。


Mind-body exercise affects attention switching and sustained attention in female adults with Attention Deficit/Hyperactivity Disorder: A randomized, controlled trial with 6-month follow-up. 
Curr Psychol (2022). https://doi.org/10.1007/s12144-022-03216-6



注意欠陥/多動性障害を有する成人女性において、心身運動(Mind-body exercise)は注意の切り替えと持続的な注意に影響を与える:6ヶ月間フォローアップの無作為化対照試験



【背景】
成人の注意欠陥・多動性障害(ADHD)の認知機能に対するピラティスの影響を調査した研究はほとんどない。


【目的】
本研究では、ADHDの成人において、ピラティストレーニングが注意の切り替え(attention switching)と持続的注意( sustained attention)に及ぼす影響を評価することを目的とした。


【対象者および方法】
対象は、ADHDの成人(20~50歳)52名。
24週間のピラティストレーニング群(n=25)と対照群(n=27)に無作為に分けられた。6ヶ月間フォローアップした。


【結果】
治療群(ピラティス群)は、介入後およびフォローアップにおいて、持続的注意(sustained attention)の有意な改善を示し、特に省略エラー(omission errors)、コミッションエラー(commission errors)、反応時間(reaction time)の面で改善した(p < 0.05)。


行為自体がなされなかったエラー: omission errors
正しくない行為がなされたエラー:commission errors


さらに、注意の切り替え( attention switching)は、介入後、perseverative errors、non-perseverative errors、total errors(p<0.05)において、有意に改善されることが示された。



perseverative 〔ある言葉・思考・行動などが〕執拗に繰り返される、固執性の、保続的な


【結論】
ピラティスが成人のADHDの注意の問題にポジティブな影響を与える。



ピラティスが成人女性のADHDの症状の軽減に有効である可能性


ということでピラティスが成人のADHDの注意の問題を軽減する可能性が示唆されました。ピラティスは単なる身体活動ではなく、論文のタイトルのように”mind-body exercise”、つまり心と身体の繋がりを重視する、身体ばかりでなく脳への働きも重視するとされるエクササイズです。
このような面が、この論文で示唆された効果に寄与しているのかもしれません。

小規模研究ですし、詳しいプロトコールも(布施は)把握しておりませんので、この結果を鵜呑みにすることはもちろんできません。

しかし、ADHD傾向のある方、医療機関を受診するほどでもないけれど気になる方、医療機関を受診しづらい方、などはピラティスを24週間=6ヶ月ほど試してみても良いと思います。

このブログでもこれまで申し上げているように、ピラティスにより心身の様々なメリットを得られる可能性があります。仮にADHDの症状が軽減しなくても、何らかのメリットは得られますので、無駄ではないと思います。


Zenplaceのピラティスは、身体的エクササイズではなく、”mind-body exercise”、心と身体の繋がりをかなり重視していますので、上記論文のコンセプトにとても近いと思います。

https://www.zenplace.co.jp/




【参考文献/資料】
Mind-body exercise affects attention switching and sustained attention in female adults with Attention Deficit/Hyperactivity Disorder: A randomized, controlled trial with 6-month follow-up. 
Curr Psychol (2022). https://doi.org/10.1007/s12144-022-03216-6

・Adult ADHD Self-Report Scale-V1.1 (ASRS-V1.1) Symptoms Checklist from WHO Composite International Diagnostic Interview
https://www.hcp.med.harvard.edu/ncs/ftpdir/adhd/18Q_Japanese_final.pdf

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