心不全患者に対するヨガ

投稿日: カテゴリー: ヨガ循環器

ヨガは、様々なバリエーションがあり、老若男女どなたでもその個人に応じた方法で楽しめます。

また特別設備や機器も不要でどこでも行うことは可能であり、とてもフレキシブルなエクササイズです。

心臓病を患っていてなかなか運動がしずらい方でも楽しめる運動とも言えます。

一つレビュー論文をご紹介します。

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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29755216

Int J Yoga. 2018 May-Aug;11(2):91-98.

Yoga for Heart Failure: A Review and Future Research.

心不全患者のためのヨガ:レビューと将来展望

 

ヨガの健康への効果は、

 

・迷走神経刺激
・ストレスの軽減
・筋骨格刺激

 

の3つのメカニズムから生じる可能性が挙げられる。

 

特に心不全は交感神経系優位になっているので、ヨガにより副交感神経の活性化を促進することで、心拍数(HR)の低下、血圧、心拍変動(HRV)の改善、その他代謝的および心理的利益をもたらし、転帰の改善をもたらす。うつ病の軽減、睡眠の改善、メタボリックシンドロームの軽減も病態の改善に寄与する。

 

臨床試験の例としては、

 

・NYHAI,II の心不全患者において標準的治療に12週間のヨガを追加することでNTpro BNP(心不全の重症度指標)を減少させた。

 

・60分、隔週、8週間のヨガ介入で、対照群に比し心不全患者のバイオマーカー(IL-6、CRP、細胞外スーパーオキシドジスムターゼ)および運動能力の有意な改善が見られた。

 

・指導者付きヨガセッション週2回、8週間で心不全患者は体重軽減、うつ病軽減を認めた

 

・3ヶ月間のヨガにより心不全患者は努力肺活量が1.6から2.1へと24%増加。収縮期血圧は143から127 mmHgに11%減少した。

 

また、mind-body interventionとしてヨガと類似カテゴリーの瞑想に関し、

・8週間のマインドフルネスに基づく心理教育的介入は不安と鬱を軽減し,1年後の心不全症状を軽減した.

・超越瞑想は、冠動脈疾患患者の死亡率、心筋梗塞、または脳卒中を減少させた

 

と様々なデータがある。

心不全患者の多くは、病院の心臓リハビリテーションプログラムを十分に受けることはできない。有資格のヘルスケアの専門家が運動計画を処方するならば、病院外や在宅での代替案は合理的。アドヒアランスを強化するのに役立つだろう。

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ということで、ヨガは心臓病を患っている方や、そうでなくとも高齢になり運動がやりたくてもできない方など、様々なニーズに応えることができます。人生100年時代には良い選択肢になるでしょう。

ご興味のある方は、ご相談ください。

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