ヨガの外傷リスクと対策

投稿日: カテゴリー: ヨガ
ヨガは、バランス力や筋力アップなどの身体的メリットがありますし、またストレスや不安軽減、うつ軽減など心理的メリットもあります。安静時心拍数も低下させます。しかし、エクササイズであるため、僅かながらのリスクも伴うことも事実です。今日ご紹介する論文は、世界トップレベルの病院の1つMayo clinicからのもので、ヨガ関連傷害のものではこれまでの最大の医学的報告だそうです。

 

Mayo Clin Proc. 2019 Mar;94(3):424-431.
Soft Tissue and Bony Injuries Attributed to the Practice of Yoga: A Biomechanical Analysis and Implications for Management.

 

ヨガの実践に起因する軟部組織と骨の損傷:生体力学的分析と管理

目的
ヨガ実践に直接関連した傷害を分析して、骨量減少または骨粗鬆症の患者で避けるべきポーズを特定すること。

 

方法
ヨガによって傷害を負った患者の医療記録を後ろ向きにレビューした(2006/1/1から2018/12/31まで)。
傷害は3つのグループに分類された:
(1)軟部組織傷害
(2)体軸性非骨傷害(脊椎の骨以外の病態)
(3)骨傷害

 

結果
研究ではヨガで傷害を負った89人の患者を同定した。平均58歳、女性80%。24.7%(89人の患者のうち22人)が骨粗鬆症。

痛みが生じた部位は、

頸椎23人(25.8%)
胸椎30人(33.7%)
腰椎53人(59.6%)
仙骨22人(24.7%)
肩 19人(21.3%)
臀部10人(11.2%)
大腿4人(4.5%)
膝 5人(5.6%)
足,足首3人(3.4%)
肘 1人(1.1%)
手首1人(1.1%)

 

・軟部組織グループ
過度な反復による筋膜痛: 66人(74.2%)
回旋筋腱板損傷:6人(6.7%) 肩?
転子滑液包嚢症:1人(1.1%)大腿部?

 

・体軸性グループ(脊柱の骨以外の要素)
変性関節疾患の疼痛の悪化:46人(51.7%)
椎間関節症の疼痛の悪化: 34人(38.2%)
神経根症:5人(5.6%)

 

・骨損傷グループ
脊柱側弯症:15人(16.9%)
脊椎すべり症:15人(16.9%)
前部くさび像(圧迫骨折):16人(18.0%)
圧迫骨折:13人(14.6%)

 

最も一般的に怪我を引き起こしているポーズは、脊柱の過屈曲と過伸展。

 

結論

ヨガには多くの利点があるが、脊椎の極端な屈曲と伸展を伴う体位を行うときは注意が必要。骨量減少または骨粗鬆症の患者は、圧迫骨折または変形のリスクが高く、反復したり、極端な脊椎屈曲を回避した方が良いであろう。

 

 

リスクの高い方はヨガを控えましょう、という話ではありません。ヨガは心身への数々のメリットがあります。控えるのではなく、安全に行うです。個人個人の体調や背景に合わせてポーズやプログラムを変更する必要があるという趣旨です。適切な指導のもと、安全にヨガを楽しむことがよろしいかと思います。

例えばこちらでは安全性高く楽しめます。

https://www.yoga-plus.jp/

 

参考文献

Lee M, Huntoon EA, Sinaki M. Soft Tissue and Bony Injuries Attributed to the Practice of Yoga: A Biomechanical Analysis and Implications for Management. Mayo Clin Proc. 2019;94(3):424-431.

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