加糖飲料は身体に悪い
ペットボトルの加糖飲料が身体に悪いことは、みなさま百も承知だと思います。
糖尿病や心臓病のリスクを上げます。
加糖飲料摂取に関連する死亡は、世界中で年間18万人と算出した研究もあります。
(Circulation 2015;132:639-666.)
人工甘味飲料なら大丈夫?
患者さんとお話ししていると、”カロリーゼロ”や”ダイエット◯◯”といった、人工甘味料 を使用した 飲み物なら大丈夫と 思って 日常的にお飲みになっている 方が少ないことに気づきます。
人工甘味料は 本当に 体に悪くないのでしょうか。
カロリーゼロならば 太らないのでしょうか。
人工甘味飲料に関する論文を見てみると
結論を言うと、 人工甘味料、カロリーゼロでも太ることが示唆されており、 日常的な、習慣的な摂取はお勧めできません。
・人工甘味料は依存性を有する可能性(Physiol Behav. 2012;107(4):560–567.)
・人工甘味飲料330ml/日摂取することで糖尿病リスク13%増加(British Journal of Nutrition (2014), 112, 725–734)
・人工甘味飲料600ml/週以上摂取する人の糖尿病リスクは、そうでない人より2.2倍高い(Am J Clin Nutr 2013;97:517–23.)
・人工甘味飲料摂取は高血圧のリスク増加(Arch Cardiovasc Dis. 2016;109(4):242-53.)
・人工甘味飲料摂取はメタボリック症候群のリスク増加(Int J Clin Pract. 2017;71(2))
・人工甘味飲料摂取は脳卒中、認知症のリスク増加(Stroke. 2017 May;48(5):1139-1146)
・人工甘味飲料摂取は脳卒中、心筋梗塞のリスク増加(Int J Clin Pract, 2016, 70, 10, 791–805)
・加糖飲料は1サービング/日摂取する毎に死亡リスク7%増加、人工甘味飲料は同3%増加(Circulation. 2019;139(18):2113–2125. )
一方で、人工甘味飲料摂取者と非摂取者の健康上のアウトカムに有意差がないとする研究もあります(BMJ 2019;364:k4718)。
ほとんど観察研究のデータであり、確定的なことはいえません。
また、一口に人工甘味料といっても、様々な種類があり各甘味料別のデータも明確ではありません。
まとめ
全体的に言えば、人工甘味飲料は、通常の加糖飲料よりはましである可能性が高いですが、依存性があり、糖尿病やメタボ、動脈硬化系疾患のリスクが上がる可能性があり、習慣的には飲まない方が無難です。お茶や水といった無糖(人工甘味料も含め)の飲料を飲みましょう。
自分は、無糖炭酸水をよく飲んでいます。