ウェルビーイングクリニック駒沢公園の布施淳です。ページをご覧いただきありがとうございます。当院は、循環器内科、一般内科クリニックです。ひとりひとりに寄り添って対話しながら診療していきます。クリニックは、都立大学、
本日は安静時心拍数を下げる方法についてお話ししたいと思います。まず、安静時心拍数とは何か?ということですが、安静時心拍数(安静にしているときの心拍数)は、人間の場合、男性で60~70程度、女性で65~75程度。最大心拍数(拍動が最も速くなった場合の限界値的な心拍数)は、年齢が高くなるほど下がる傾向があり、一般的に成人では「220-年齢数」程度、高齢者や低体力者では「215-年齢数」であるといわれています。
昨日は、安静時心拍数が、45/分から、10/分上がる毎に死亡リスクが9%づつ上がるという話でした。
例えば、自分の安静時心拍数が80/分でしたらどうですか?
もっと下げたくなりますよね。
でも、重症の心臓病ではない通常の人ですと、薬などで無理やり心拍数を下げても、必ずしもリスクは下がりません。
例えば、安定している狭心症の患者にIvabradineという心拍数を下げる薬を使って、70/分以上の心拍数を60/分ほどまで下げてみましたが、死亡リスクは変わりませんでした。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1406430
心拍数が速くなっている原因がはっきりしていれば、それを是正すると、リスクは下がるかもしれません。
貧血、脱水、発熱・炎症、甲状腺機能異常などがあれば心拍数が早くなりますので是正が必要です。
そのようなはっきりとした病気、或いは病気に近い状態を認めない場合も、
例えば、心身のストレスを緩和すると、心拍数が低下することが期待できます。
安静時心拍数を低下させる代表的な方法は「運動」です。
長距離ランナーには心拍数が遅い(30台とか)人がいるなど、いわゆる「スポーツ心臓」のことを耳にしたことがある方も多いと思います。
多くの研究で、運動により安静時心拍数が低下することが示されています。
例えば、
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9832101
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11194095
安静時心拍数を上げるための運動の量も、質も、研究により様々です。
少なくとも、10週間ほどの継続は必要のようです。
特に年齢が上がると反応が低下するのか、下記メタ解析では、60歳を超えると30週以上の継続が必要としています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16118586
通常、心拍数が速い=頻拍は、100/分以上のことを指します。
つまり、心拍数100/分未満なら、一応正常範囲内と表現できます。
例えば、安静時心拍数80/分の人ですと、
病院では「正常範囲内だから、気にしないで」と言われます。
でも、「安静時心拍数45/分から、10/分上がる毎に死亡リスクが9%上がるという話」を聞くと、
安静時心拍数45/分の人より、死亡リスクが30%くらい高い疑いがある??? と思うと、
もっと下げたくなります。
運動を始めとする、安静時心拍数を下げることを心がける生活。
そんな、さらなる健康を目指すのが、ポジティブヘルスです。
マイナスからゼロではなく、ゼロから、プラスアルファへ。
当クリニックでは、そんなこともサポートしたいと思っています。
安静時心拍数を下げる方法についてのお話はみなさん、いかがでしたでしょうか。
安静時心拍数を下げる方法と合わせてコロナにおいて心臓との関連性が徐々に明らかになってきましたのでその一部をご紹介いたします。
心拍数(しんぱくすう)とは
一定の時間内に心臓が拍動する回数のこと。通常は1分間の回数を指す。
一定の時間内に心臓が拍動した回数のことで、通常は1分間の回数(bpm: beat per minutes)で表現されます。
心臓が血液を送り出す際には、動脈にその収縮運動を示す脈拍が現れます。このため脈拍数や脈拍も同様の意味になります。
心拍数の正確な測定は胸部にセンサーを付けて心電図や心拍計を用いる方法が用いられますが、簡易な方法としては手首の動脈に指先を添え脈拍の回数を数える方法もあります。健康な成人の安静時の脈拍数は、個人差はありますが、1分間に約60~100回となっています。
人が発揮できる最大の心拍数(最大心拍数)は年齢を重ねるとともに低くなっていく傾向がありますが、同じ年齢の人であれば心拍数と運動の強度との関係はほぼ一定なので、運動の強度を計る目安として心拍数がよく用いられています。有酸素運動の強度なども心拍数で表されることが多くなっています。