長寿と関連する採血項目は?

投稿日: カテゴリー: 医療一般循環器食事

人間の寿命はどんどん延びており、100才を超えるような方も珍しくありません。ご存知のように日本は世界トップレベルの長寿国です。

そんな日本から、長寿の秘訣の解明の手がかりになるような研究が発表されました。慶應義塾大学、熊本大学、岐阜薬科大学らのグループの研究です。

 

Associations of cardiovascular biomarkers and plasma albumin with exceptional survival to the highest ages.

Hirata, T., Arai, Y., Yuasa, S. et al.

Nat Commun 11, 3820 (2020).

https://doi.org/10.1038/s41467-020-17636-0

 

ポイントは、NT-proBNPとアルブミン


105-109歳の572人、100-104歳の288人、85-99歳の531人の3つのコホート計1,427人を対象に最長6年ほどフォローし、採血項目と生命予後の関係を調べました。

 

結果、

NT-proBNP」という数値が長寿者の生命予後と有意に関連していました。

NT-proBNPは、心臓に負担がかかると上昇します。心不全の時に上昇しますので、循環器内科の患者さんではよく測定することがある項目です。

NT-proBNPが低値であれば、心臓の負担が軽いということを表し、長生きしやすいということです。

 

また、

「アルブミン」値も生命予後に有意に関連していました。

アルブミンは、栄養状態の指標です。

アルブミンの値が高ければ栄養状態が良く、長生きしやすいということです。

 

これに「コリンエステラーゼ」という項目を合わせて勘案するとさらに予後予測の精度が高くなります。

コリンエステラーゼとは、肝機能を表す項目ですが、タンパクの状態つまり栄養状態も反映します。

コリンエステラーゼの値が高ければ、肝臓の機能や栄養状態がよく、長生きしやすいということです。

 

心臓と栄養


結局、心臓の負担軽減と栄養状態を良くすることが特に長寿には大切ということでしょう。

基本は、食事、運動、睡眠、ストレス緩和です。

特に食事においては、塩分過多を回避すること、タンパク質を多めに摂ることが大切と思います。

塩分は、男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満が目標です。高血圧や慢性心不全があるひとは6g/日未満が目標です。

タンパク質は、体重(kg)あたり、最低1g/日は摂りましょう。60kgの人なら、60g/日です。ただし、腎臓病のある方は主治医にご相談ください。

タンパク質を活かすためには、ビタミン、ミネラルを良く摂ることも大切ですし、また精製糖類(砂糖など)を控えることなども大事です。

 

 

ご興味のある方は、


NT-proBNP」「アルブミン」「コリンエステラーゼ」といった項目は、もちろん当クリニックでも測定できます。

ご高齢の方はもちろん、そうでない方も一度測定してみても良いかもしれません。

持病のある方は保険診療で測定できる可能性もあります。

そうでない方は自費となります。その場合、診察料含め上記3項目で7,680円ほどで測定できます(厚生労働省の設定した診療報酬の値段に準じています)。

 

 

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