サーティーワンアイスクリームは31g/日という意味(にしよう)

投稿日: カテゴリー: blog食事

梅雨も開けて暑い日が続きます。アイスクリームを食べる機会が増えている方も少なくないでしょう。

アイスクリームといえば、サーティーワンアイスクリームです。

1ヶ月(31日)間、毎日違ったフレーバーのアイスクリームを楽しんでいただきたいとの願いから、サーティワンアイスクリームと名付けられたそうです。

サーティーワンアイスクリームは、大きさのバリエーションがあるようで、「サーティワン最新情報」というサイトによりますと、

・レギュラーは、シングルで110g、ダブルで220g。

・スモールのシングル70g。

・キングのシングルは140g。

 

ちなみに、HPによると各シングルのカロリーは(フレーバーによりばらつきあり)

・レギュラー  約230kcal

・スモール 約150kcal

・キング 約300kcal

 

 

 

 

 

 

出典:https://www.31ice.co.jp/contents/product/ice/index.html

 

医療者的には、甘いスイーツのようなものを、毎日食べて身体に悪くないのか!!!?という疑問がわきます。

 

どのくらい砂糖が含有しているのか?


やはり砂糖の含有量が気になります。

サーティーワンアイスクリームのHPの資料では各フレーバー別に炭水化物の含有量やカロリーがわかります。

https://www.31ice.co.jp/contents/calorieallergy/pdf/nutrition_flavor.pdf

各シングルの含有炭水化物は(フレーバーによりばらつきあり)

・スモール(70g) → 炭水化物 20g →添加糖分は15gくらい(推測)

・レギュラー(110g) → 炭水化物 30g →添加糖分は23gくらい(推測)

・キング(140g) → 炭水化物 40g →添加糖分は31gくらい(推測)

 

といったところです。手元にあった「エネルギー早わかり 女子栄養大学出版部」の旧版ですが、この本によると、アイスクリーム20g(50ml)は36kcal、炭水化物4.6g、添加糖分3.3g(参考値)だそうです。炭水化物-添加糖分=1.3g。これより上記の各添加糖分を推測しています。

 

身体に有害である遊離糖類(追加で添加する糖類=添加糖分)を、WHOは、25g/日に止めるように推奨しています。サーティーワンアイスクリームのダブルなんか食べてしまったら、それだけで完全に推奨を大幅に超えてしまいます。レギュラーであっても、23g/25gをアイスクリームで消費してしまうと、1日の遊離糖類の総計は容易に25gを超えてしまうでしょう。

 

砂糖含有のアイスクリームは身体に悪くないのか?


アイスクリーム摂取の健康への影響を論文検索してみました。あまり研究は多くなさそうですが、糖尿病をアウトカムとした研究はいくつかあるようでした。そのメタ解析論文。

Consumption of dairy foods and diabetes incidence: a dose-response meta-analysis of observational studies.

https://academic.oup.com/ajcn/article/103/4/1111/4662895

22のコホート研究、約58万人を対象としたメタ解析論文です。そのうち、アイスクリームと糖尿病の関係を調べた研究は5つ、対象は約2万6千人です。

Supplement dataに糖尿病リスクと1日当たりのアイスクリーム摂取量のグラフがありますので是非ご覧ください。

https://academic.oup.com/ajcn/article/103/4/1111/4662895#supplementary-data

雰囲気はこんな感じです。縦軸は糖尿病リスクです。

見て、びっくりなのですが、アイスクリームの食べる量が増えるにつれ糖尿病リスクが低下しています。

1日10gのアイスクリーム摂取増加につき、19%糖尿病リスクが低下します。

甘いアイスクリーム=身体に悪い という思い込みをしていた自分に反省。

乳製品全般は、糖尿病や心血管系疾患にはリスク軽減効果があるとする論文も散見されますし、特にヨーグルトはリスク軽減効果がより期待できるとされています。そう考えると、乳製品であるアイスクリームがリスク軽減効果を有していても、不思議ではありません。

 

悪くはないが、量が問題


ただし、この論文はあくまで「観察研究」のメタ解析論文であり、「アイスクリームを食べたことで、糖尿病リスクが低下した」という因果関係を示すものではありません。自分は糖尿病にはなりにくいと思っているのでアイスを食べる、とする人が多かった、という逆因果の関係が混在している可能性も否定することはできません。

また、横軸のアイスクリーム摂取量は30g/日くらいまでしかありません。50g食べたら、100g食べたら、グラフがどうなっていくか?は不明です。サーティーワンアイスクリームレギュラータイプ110gを毎日食べることで糖尿病リスクが低下するということは全く言えません。

サーティーワンアイスクリームは、様々なフレーバーがあり、種類によっては添加糖類含有がより多くなり糖尿病リスクが上がる可能性もあります。

また、この論文はアウトカムを「糖尿病」に設定していますが、一般論として、乳製品の過剰摂取は、男性の前立腺癌との関連が示唆されています。したがって、アイスクリームを食べ過ぎて、前立腺癌のリスクが上がるという可能性も考えなければいけません。

ということで、アイスクリームを食べるなら、グラフで示されているようにせいぜい1日30gくらいまでにしておくことが無難でしょう。

 

結論:アイスクリームは31g/日まで


自分は、「アイスクリーム=砂糖含有=身体に悪い食べ物」と思い込んでいました。

調べてみたら、食べ方によっては悪くないことがわかりました。

ただし、サーティーワン(31)で、毎日毎日アイスクリーム110g/日!は、多すぎると思います。添加糖分の取りすぎ(約23g)です。

アイスクリームは、食べるならサーティーワンg(31g)くらいに止めましょう。添加糖分は概ね6gくらいに止まります。

レギュラー(110g)を食べるのであれば、3-4日に1回程度にしましょう。

 

サーティーワンアイスクリームは、

✖️ 1ヶ月(31日)間、毎日違ったフレーバーのアイスクリームを楽しむ

◯ 1ヶ月(31日)間、毎日違ったフレーバーのアイスクリームを楽しむ、ただし31 g/日!

にすれば、健康的かと思います。

 

スモールタイプ(70g)のハーフ(35g)という選択肢

あるいは、サーティーワンタイプ(31g)という選択肢

を是非作って頂ければと思います。

 

 

【参考文献】

Gijsbers L, Ding EL, Malik VS, de Goede J, Geleijnse JM, Soedamah-Muthu SS. Consumption of dairy foods and diabetes incidence: a dose-response meta-analysis of observational studies. Am J Clin Nutr. 2016;103(4):1111-1124. doi:10.3945/ajcn.115.123216

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です