ストレスは身体に悪いと言うけれど、どのくらい悪いのか?

投稿日: カテゴリー: ポジティブ心理学循環器

多くの人が、仕事や人間関係、そしてコロナ関連などなど、様々なストレスに悩まされています。それらストレスにより様々なネガティブ感情が湧いたりします。

ストレスやネガティブ感情は、メンタル不調を助長し精神衛生上良くないわけですが、身体的にも悪影響がありそうです。「ありそう、、」なのですが、本当にあるのでしょうか?どのくらい身体に悪いのでしょうか?

最近、心と心臓と身体の繋がりをテーマにした論文が発表されました。

循環器領域で最も権威のある医学雑誌の1つである「Circulation」の総説です。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33486973/
Psychological Health, Well-Being, and the Mind-Heart-Body Connection
Circulation. 2021 Jan 25:CIR0000000000000947. 

心理的健康、ウェルビーイング、心と心臓と身体の繋がり

この論文を参考にしつつ、上記の問いに答えたいと思います。



ストレスは身体に悪いのか?

日常的、慢性的なストレスの蓄積、ストレスフルなライフイベント、主観的なストレスの知覚、心的外傷ストレス障害(PTSD)はどは全て心血管疾患を助長することが示されています。

仕事のストレスは、心血管疾患発症リスク40%増加と関連 
 ( Annu Rev Public Health. 2013;34:337–354)

主観的高ストレスは、冠動脈疾患発症および死亡リスク27%増加と関連 
 (Am J Cardiol. 2012;110:1711–1716.)

ストレスの主原因の1つである社会的孤立/孤独は、心血管疾患発症リスク50%増加と関連 
 ( Annu Rev Public Health. 2013;34:337–354)

PTSDは、冠動脈疾患発症リスク61%増加と関連
(Australas Psychiatry. 2018;26:524–530)


多くの研究で同じような結果になっており、ストレスは心臓関連の病気を助長することはまず間違いないものと考えられます。




「怒り」「敵意」は身体に悪いのか?


ストレスの種類によっては我々は「怒り」を感じたり、相手に「敵意」を抱いたりします。最も激しいネガティブ感情とも言え、怒りや敵意は、他の感情よりも強い交感神経反応を誘発する傾向があります。怒りは、心拍数、血圧に代表される心血管系の反応性の増加と関連しています (Psychol Bull. 2017;143:1378–1394.)。急激な怒りも、慢性的な怒りや敵意も身体に悪影響を及ぼします。

怒り爆発、激怒の2時間後に急性心筋梗塞、脳卒中、心室性不整脈などの心血管イベントの発生率が高くなる
 (Eur Heart J. 2014;35:1404–1410.)

・怒りと敵意は、健康人で冠動脈疾患発症リスク19%増加と関連。
・怒りと敵意は、既存の冠動脈疾患患者で再発リスク24%増加と関連。

 ( J Am Coll Cardiol. 2009;53:936–946.)

大学生時の自己申告による高いレベルの敵意と攻撃性が、55歳時点での心血管疾患と冠動脈疾患の発症率の増加を予測。
 ( J Pers Assess. 2018;100:68– 83.)




「不安」は身体に悪いのか?


将来が不安、身体が不安、仕事が不安、、、、全てが不安に思えてしまうような時もあります。米国心理学会では、「不安」を「緊張感、心配性、血圧上昇などの身体的変化を特徴とする感情」と定義しています。

不安は高血圧、肥満、喫煙の危険因子であり、動脈硬化を促進する可能性がある
(Neuropsychiatr Dis Treat. 2015;11:1121–1130.)
(Drug Alcohol Depend. 2014;145:69–76. )

不安は、心血管疾患死亡リスク41%増加と関連。
・不安は、以下の心血管疾患罹患リスクと関連。
– 冠動脈疾患リスク 41%増加
– 脳卒中リスク 71%増加
– 心不全リスク 35%増加

(Am J Cardiol. 2016;118:511–519.)

・不安は冠攣縮性狭心症の発症リスク5.2倍増加。
( Psychosom Med. 2019;81:237–245)

(冠攣縮性狭心症=冠動脈が痙攣して狭くなり、苦しくなる病気)





抑うつは身体に悪いのか?


憂鬱になること、ありますよね。うつ病もやっぱり身体への悪影響があります。

・うつ病は心筋梗塞発症リスク30%増加と関連。
・うつ病は冠動脈疾患発症リスク30%増加と関連。

 (. BMC Psychiatry. 2014;14:371. )

うつ病は脳卒中発症リスク45%増加と関連。
( Int J Cardiol. 2015;180:103–110. )




悲観的思考は身体に悪いのか?


ついつい物事を悪く考えてしまいがちです。きっとうまくいかない、きっとダメだろう、自分は病気に違いない、悪い病気かもしれない、、、。そんな悲観的な思考も身体に悪影響を及ぼします。

・悲観的な思考は冠動脈疾患死亡リスクの有意な予測因子であり、最も悲観的な人と最も悲観的でない人で2倍になっていた。
( BMC Public Health. 2016;16:1124. )




ストレスやネガティブ感情は身体に悪影響を及ぼし得る

と言うことで、ストレスやネガティブ感情はやはり身体に悪そうです。

上記に挙げたような研究は、ほとんどが観察研究であり、バイアスが存在したり、あるいは必ずしも因果関係を示すものではない点が大きな限界です。
しかしながら、Circulation誌の総説では、全体的には、ストレスやネガティブ感情と心血管疾患リスクには確たる関連があると言って良いだろうとしています。

必ずしも因果関係とは言えませんが、それでもこのような数々のデータを見ると、
可能な限りストレスを回避して、怒らないようにして、前向きに物事を考える癖を付けたくなります。

可能な限りストレスを回避して、怒らないようにして、前向きに物事を考える癖を付けたくなります。


可能な限りストレスを回避して、怒らないようにして、前向きに物事を考える癖を付けたくなります。



なぜ、ストレスやネガティブ感情が身体に悪影響を及ぼすか、ポジティブ感情は身体に良いのか?などはまた早々にブログに書きたいと思います。



ストレスがあったり、ネガティブ感情を抱きがちな方で身体的な体調が悪い方、心臓の調子が悪い方は、ご受診頂ければリスク評価致します。

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