ビタミンD3高用量単回投与はCOVID-19に有効?

投稿日: カテゴリー: 医療一般

以前、ビタミンDに関する記事を書きました。

ビタミンD濃度(25ヒドロキシビタミンD;25-OHVD)が低いと様々な病気罹患と関連しています。我々としては十分な濃度に保っておきたい気持ちになります。しかし、ビタミンDサプリを摂取するとそれらの病気が予防できるかというと、そのような確たるエビデンスはあまりありません。

今回、JAMAという一流医学雑誌に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患して入院した人に高用量のビタミンDを投与して経過がどうなるかを調べた研究が発表されました。

COVID-19に対するビタミンD3高用量単回投与

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33595634/
Effect of a Single High Dose of Vitamin D3 on Hospital Length of Stay in Patients With Moderate to Severe COVID-19: A Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2021 Feb 17. doi: 10.1001/jama.2020.26848. Epub ahead of print. PMID: 33595634.

【目的 】
COVID-19 患者に対するビタミン D3 の単回高用量投与の効果を評価する。

【方法 】
ブラジルのサンパウロの2施設で実施された多施設二重盲検無作為化プラセボ対照試験。2020年6月から2020年8月の登録期間に中等〜重症のCOVID-19患者240人が入院した。
患者は、20万IUのビタミンD3を単回経口投与する群(n=120)またはプラセボを投与する群(n=120)に無作為に割り付けられた。
最終フォローアップは2020年10月7日。
主要アウトカムは、入院期間。二次アウトカムとして、入院中の死亡率、集中治療室入院数、人工呼吸器を必要とした患者数と期間など。

【結果 】
無作為化された240人の患者のうち、237人が一次解析に含まれた(平均年齢56.2±14.4歳、女性104人(43.9%)、平均ベースラインビタミンD血中濃度(25-ヒドロキシビタミンD(25-OHVD))値20.9±9.2ng/mL。

入院期間中央値(四分位の範囲)は、ビタミンD3群(7.0[4.0~10.0]日)とプラセボ群(7.0[5.0~13.0]日)で有意差はなかった(P=0.59)。

ビタミンD3群とプラセボ群で以下に関しての有意差もなかった。
院内死亡率(7.6% vs 5.1%;P=0.43)
集中治療室への入院(16.0% vs 21.2%;P = .030)、
人工呼吸器装着(7.6% vs 14.4%;P = 0.09)

25-OHVDの平均血清レベルは、ビタミンD3の単回投与後にプラセボと比較して有意に上昇した(44.4 ng/mL vs 19.8 ng/mL; P < 0.001)。有害事象として、ビタミンD3内服後に嘔吐のエピソードが1件のみ生じた。

【結論】
COVID-19の入院患者において、ビタミンD3の単回高用量投与は、プラセボと比較して入院期間を短縮しなかった。



高用量ビタミンD3単回投与は安全

高用量のビタミンD3の単回投与は、中等症から重症のCOVID-19患者の入院期間を短縮せず、明らかな臨床的効果は示しませんでした。

残念な結果だったわけですが、一方で個人的に印象的だったのは、「高用量のビタミンD3の単回投与」の安全性です。

低いビタミンD血中濃度が様々な病気と関連している(→冒頭のブログ参照)という事実を聞くと、もし自分のビタミンD濃度が低かったら、それを上げたくなる気持ちが湧いてくるのは当然です。
以前のブログではサプリを活用する場合は、安全第一で1000-2000IU/日から開始して、、、というようなことを書きましたが、この研究での「高用量のビタミンD3の単回投与」は200,000IU(20万IU)です。ブログ記事の慎重な投与方法とは桁違いの方法です。

冒頭のブログの記事で触れましたが、成人のビタミンD推奨栄養所要量は600-800IU(ただし適切な日光浴が前提)、米国食品栄養委員会による成人のビタミンD許容上限摂取量は4,000IUです。ビタミンD中毒は、通常ビタミンD製剤の過剰投与により生じます。症状は主に高カルシウム血症によるもので、錯乱、多尿、多飲、食欲不振、嘔吐、筋力低下、不整脈などを呈します。ビタミンD中毒は、摂取量10,000~40,000 IU/日、ビタミンD濃度(25(OH)D)200~240ng/mLほどの報告がほとんどです。

この研究の200,000IU(20万IU)単回投与は、血中ビタミンD濃度(25-OHVD)も21.2→44.4 ng/mLに上昇し、ほとんど有害事象が起こっていません。COVID-19への効果は明らかではありませんでしたが、20万IU単回投与は安全であると言えます。

ただし、元々ビタミンD3を補給している人(>1,000IU/日)、血中カルシウム濃度が高い人(>10.5mg/dl)、腎不全の人(Cr>2.0mg.dl)、妊娠中、授乳中の人などは研究対象から除外されています。このような人たちに対しての安全性は不明です。


まとめ

・高用量のビタミンD3の単回投与(20万IU)は、COVID-19患者の入院期間短縮に関する有効性は明らかではありませんでした。

・高用量のビタミンD3の単回投与(20万IU)は、血中ビタミンD濃度(25-OHVD)を21.2→44.4 ng/mLに上昇させました。

・高用量のビタミンD3の単回投与(20万IU)は、ほとんど有害事象が起こっていません(嘔吐1件)。

・高用量のビタミンD3の単回投与(20万IU)は、安全のようです。



手元に、1粒2000IUのサプリとか、5000IUのサプリがあります。

20万IUということは
1粒2000IUなら100粒を一気に内服することになります。
1粒5000IUなら40粒を一気に内服することになります。

現段階ではまだ、一気飲みする勇気ないです笑
でも安全なんですね。

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