駒沢公園とその周辺は運動が盛んな文化です。
有酸素運動と言っても色々な種類や方法があります。
インターバルトレーニング、持続的トレーニングという切り口での分け方もあります。
インターバルトレーニングの方が、持続的トレーニングよりも高い脂肪減少効果が期待できる、という話です。
インターバルトレーニング
・high-intensity interval training (HIIT):最大心拍数あるいは最大酸素摂取量 (VO2max)の80-100%を目標とする間欠的トレーニング。
・sprint interval training (SIT):最大心拍数あるいは最大酸素摂取量 (VO2max)まで、あるいはそれ以上、全力で最大限発揮する(all-out)間欠的トレーニング。
中強度持続的トレーニング
インターバルトレーニングと持続的トレーニング
HIITは、MODに比べて以下のような効果が示唆されています。
SITは、より少ないトレーニング量でMODと同様の効果が得られる可能性も示唆されています。
トレーニングと体脂肪減少
しかし、体脂肪を減らすためにどのトレーニング方法(HIIT / SIT vs MOD)が最良であるかについてのコンセンサスはまだありません。
最近JAMAという医学雑誌に掲載された系統的レビュー、メタ解析(1)は、この疑問への答えの回答の1つを示しています。
【方法】
ヒトの体脂肪に対するインターバルトレーニングとMODの効果を比較した論文を検索し、条件に合致した41件(n=1115人)を定性分析に、36件(n=1012人)をメタ分析の対象としています。
平均年齢10.4歳〜70.1歳。BMI18.4-36.7kg/m2。運動不足の人からアスリートまで含んでいます。介入期間は4-16週で、12週がもっとも一般的でした。
トレーニング内容は、41の研究のうち、20はサイクリングを使用し、 16はウォーキング/ジョギング/ランニング、その他leg air-braked ergometer、水泳、ボクシングドリル、漕ぐエルゴメーターなど。
【結果】
総体脂肪率(%)の分析に含まれるプロトコルの平均時間は、
HIIT 28分
SIT 18分
MOD 38分
総絶対脂肪量(kg)の分析に含まれるプロトコルの平均時間は、
HIIT 25分
SIT 23分
MOD 41分
総絶対脂肪質量(kg)の減少率は、平均してそれぞれ、
HIIT 6.0%
SIT 6.2%
MOD 3.4%
でした。
インターバルトレーニングによる総絶対脂肪量(kg)の減少に有利に影響した因子は、
・指導者がいること
・ウォーキング/ランニング/ジョギング
・年齢(30歳未満)
などでした。
【結論】
この論文の結論としては、
・インターバルトレーニングとMODはどちらも体脂肪率(%)を低下させた。
・インターバルトレーニングは、MODよりも28.5%多い総絶対脂肪量(kg)を減少をさせた。
・インターバルトレーニングは、MODよりも短時間で総絶対脂肪量(kg)を減少をさせた。
まとめ
インターバルトレーニングの1つの問題点は、無理をしすぎると怪我をしたり身体を痛めてしまうことです。安全性と効果を含めて指導者がいる方がベターです。また、心臓に持病のある方は負荷がかかりすぎてしまう可能性があり主治医と相談が必要です。
持病がなく、身体的にも万全な方で効率的に脂肪燃焼をさせたい方には、HIITやSITは有力な選択肢になります。
足腰、体力的に不安のある方は、可能な範囲で心拍数をあげる運動を盛り込むと良いでしょう。
心臓など持病がある方で、インターバルトレーニングに興味のある方はご相談ください。
【参考文献】
(1)Viana RB, Naves JPA, Coswig VS, et al. Is interval training the magic bullet for fat loss? A systematic review and meta-analysis comparing moderate-intensity continuous training with high-intensity interval training (HIIT). Br J Sports Med. 2019;53(10):655-664.