妊婦がピラティスを行うと出産の満足度が高くなる

投稿日: カテゴリー: ピラティス医療一般女性医学

運動は身体に良いし、それは妊婦にも当てはまる


運動が身体に良いことは誰も異論はありません。妊婦においてもそれは当てはまります。リスクの低い妊婦の方が運動をすることもガイドラインにおいて推奨されています。中強度の運動が母体や乳児に危険性があるというデータも認めません。
ただし、妊娠女性は、運動を始める前に医師に評価を受け、運動を控えた方が良いような医学的理由がないことを確認する必要はあります。


妊婦に対するピラティスの効果は?


新型コロナ感染拡大のありますし、そうでなくともあまり外をウロウロすることに積極的になれない妊婦の方は少なくないと思います。

自宅で気軽にできるピラティスは、妊婦に対してどのような効果があるのでしょうか?

ピラティスにより体幹や骨盤底筋の能力を向上させ、柔軟性を高め、適切な呼吸を行うことで、出産プロセスが促進される可能性がありますが、妊娠中のピラティスが出産プロセスに及ぼす影響については十分研究されていません。


そんな背景の中発表された新しい論文を1つご紹介いたします。


妊娠中のピラティス・エクササイズ・プログラムが出産に及ぼす効果:無作為化比較臨床試験



The effectiveness of a Pilates exercise program during pregnancy on childbirth outcomes: a randomised controlled clinical trial.
BMC Pregnancy Childbirth. 2021 Jul 2;21(1):480.

【目的】

妊娠中のピラティスプログラムが出産に及ぼす影響を調査する

【方法】

イランの保健センターと産科病院に紹介された初産婦110名(平均年齢25.1±4.4歳)を対象とした単盲検無作為化臨床試験。

妊婦をピラティス群(n=55)と対照群(n=55)の2群に無作為に振り分けた。研究開始時の平均妊娠年齢は、ピラティス群で26.71±0.78週、対照群で26.67±0.73週。

ピラティス群はピラティスを8週間週2回行い、対照群は何もエクササイズを行わなかった。

Visual Analog Scale(VAS)、Mackey Childbirth Satisfaction Rating Scale(Mackey出産満足度評価尺度)、人口統計学的情報と産科学的情報を含むチェックリストなどによりデータを収集した。


ピラティス群では、妊婦の状態に合わせたピラティスのプログラムをインストラクターと連携して作成し、週2回、8週間にわたって実施した。

・エクササイズは軽い強度から始め、徐々に強度を上げていった。
・運動の強度はThe Borg Rating of Perceived Exertion(RPE)の14以下にとどめた。
・骨盤底筋運動は、5~10回の繰り返しで断続的に行われた。
・各セッション構成は、
– ウォーミングアップ(5分)
– ピラティスエクササイズ(25分)
– リラクゼーション(5分)
・エクササイズ終了後30分間、左側に横になって休息をとった。


対照群は、2週間に1回、電話で日常的な妊娠相談を受け、日常生活に従事し、定期的な運動プログラムには参加しなかった。


【結果】

ピラティス群は、対象群に比べて以下のような統計的有意差を認めた。

・分娩の痛み、陣痛の軽減
・分娩の全過程の短縮(対照群247.54分、ピラティス群170.42分)
・分娩の活動期の短縮(対照群164±99.81、ピラティス群110±70.94分)
・分娩第2期(娩出期;赤ん坊の頭が見えてから娩出されるまで)の短縮
(対照群50.36±38.59 分、ピラティス群33.49±24.51分)
・分娩プロセスに対する母親の満足度の向上

会陰切開、分娩促進のためのオキシトシン投与の必要性についてはピラティス群の方が対照群より少ない傾向があったが、統計的有意差は認めなかった。

分娩の種類(帝王切開など)、新生児の1分,5分時点のアプガースコア(新生児の健康状態の指標)についても、両群間に統計的有意差は見られなかった。

 (参考)

分娩の過程 https://www.kosaka.or.jp/utility/pdf/0001-5.pdf

アプガースコア https://allabout.co.jp/gm/gc/185540/



【結論】

妊娠中のピラティスは、母体と胎児に合併症を起こすことなく、分娩プロセスを改善し母体の満足度を向上させた。有効性と安全性を証明するためには、より大きなサンプルサイズの研究が推奨される。



妊婦はもちろん、妊娠出産を控えている女性にもピラティス


低リスクの妊婦が妊娠26-28週以降ピラティスに取り組むことにより出産、分娩を容易にし、満足度を高めることができるかもしれません。上記研究は週2回とピラティスの頻度はやや少なめでしたが、その頻度を増やすことにより更なる効果が期待できる可能性もあるという意見もあります。


繰り返し強調しますが、運動やピラティスに取り組む前に医師に評価を受け、運動を控えた方が良いような医学的理由がないことを確認する必要はあります。



また、妊娠・出産を近いうちに検討している女性が妊娠前からピラティスに取り組み、体幹や骨盤底筋、呼吸による横隔膜などを鍛えておくことにより安産につながりうることは容易に想像がつきます。



新型コロナウイルス感染でまだまだ自粛ムードは続き、元の世の中に戻るような先行きは全く不透明です。運動不足にならないように、屋内で、いつでも、どこでも、道具がなくてもできるピラティスやヨガは、必須の運動コンテンツであり、その重要性はますます増してきている気がします。

妊婦の方は安全性の面から、初めから信頼あるインストラクターに指導を仰ぐことが必要です。


妊婦でない方は、まずはYoutubeなどの動画を見てみよう見まねで試してみて、良さそうなら初めはちゃんと習うことをお勧めします。例えば、こちら。

Youtube
https://www.youtube.com/hashtag/zenplace


zenplaceピラティス
https://www.zenplace.co.jp/




【参考文献】
Ghandali NY, Iravani M, Habibi A, Cheraghian B. The effectiveness of a Pilates exercise program during pregnancy on childbirth outcomes: a randomised controlled clinical trial. BMC Pregnancy Childbirth. 2021 Jul 2;21(1):480. doi: 10.1186/s12884-021-03922-2. PMID: 34215198; PMCID: PMC8253242.

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