疲労、頭痛、めまい、イライラ、不眠、、、の原因はこれかもしれません。

投稿日: カテゴリー: 医療一般食事

こんな症状、1つでも当てはまりませんか?

 

・疲労、虚弱、頭痛、ふらつき、めまい

・風邪をひき易い

・不機嫌、抑うつ、不安、イライラ、不眠

・性欲減退

・抜け毛、切れ毛

・皮膚蒼白

 

これらは、◯◯◯◯◯不足の場合に起こり得る症状です。

 

◯◯◯◯◯とは?

 

 

 

◯◯◯◯◯不足!


勿体ぶってもしょうがないですね。

上記の症状は、「タンパク質」不足で起こり得る症状です。

Dietary protein intake and human healthという総説(Food Funct. 2016;7(3):1251-1265)によりますと、タンパク質不足で以下のような症状や徴候が生じ得ると記載されています。めちゃくちゃ沢山ありますので読み飛ばしてください笑

 

・骨格筋と全身のタンパク質合成の減少とタンパク質分解の増加
・低血清アルブミン;血漿中のアミノ酸濃度の低下
・内分泌の不均衡;血漿中のインスリン、成長ホルモン、IGF-I、および甲状腺ホルモンのレベルの低下
・抗酸化反応の低下、酸化ストレスの増加、老化の進行
・若年者の成長阻害、若年者の発育障害(認知発達を含む)
・母体のタンパク質欠乏症における子宮内成長制限と産後の成長、代謝、健康(例えば、肥満、感染症、心血管異常のリスクの増加)に生涯にわたって悪影響を及ぼす。
栄養素(ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ブドウ糖、脂肪酸を含む)の吸収、輸送、貯蔵の障害
・貧血、酸素運搬量の減少、全身のエネルギー消費量の減少
・骨格筋の消耗、肉体疲労、脱力感、頭痛、失神
・免疫応答の低下、頻繁な感染、感染症による罹患率および死亡率の増加
・心不全;心血管系異常;高血圧症
・組織液貯留;末梢性および眼窩周囲浮腫(特に腹部、脚部、手および足のむくみ)
・神経伝達物質の合成低下;情動障害emotional disorders(例:不機嫌、重度の抑うつ、および不安);易怒性(イライラ);不眠症
・性欲減退・不妊
・カルシウムや骨の喪失・歯の異常
・切れ毛や抜け毛、色素の生成量の減少、白髪
・青白い皮膚; 乾燥したフレーク状の皮膚; 皮膚の萎縮

 

タンパク質と言っても、その働きは様々です。例えば、腸管で食べ物を消化吸収したり(消化酵素もタンパク質ですね)、脂肪酸やビタミン、鉄など様々な栄養素を血中で輸送したり、脂肪酸やブドウ糖をはじめとする栄養素を酸化したり、、、、。

様々な役割を担っているからこそ、不足することで上記のような様々な不具合が生じてくる訳です。

 

 

現代版タンパク質不足


戦時中、あるいは発展途上国など環境が悪く通常の食事もままならず栄養失調に陥るような状況ですと、上記症状が出現することも多かったことと思います。

現代の日本ですとそのような環境ではない訳ですが、しかしながら意外とタンパク質の摂取量は多くありません。

国民健康栄養調査によりますと、日本人のタンパク質摂取量は1995年→2018年で、

 

成人男性:92.5g/日→78.4g/日

成人女性:75.7g/日→66.1g/日

 

と相対的に少ない状況になっています。

 

特に、20代女性は他の年代よりもより一層少ないようです。

 

20代女性:74.5g/日→61.5g/日

 

ダイエットをしたり、その一方でスイーツなどの糖質や加工品などを好んだり、あるいは、健康志向で野菜中心が過度になったりでタンパク質摂取量が減っているのかもしれません。

上記の数値はあくまでも「平均値」です。外来で患者さんを拝見している限りでは、この平均値よりもずっと少ない人が結構な数、存在しているように感じています。

20代女性は生理もありますし、タンパク質喪失量も多い(生理=出血=タンパク質喪失)ですからより多く摂取しなくてはいけないのですが。

 

栄養失調の重度のタンパク不足という訳ではありませんので命が脅かされるほどではありません。それでも生体での多彩な役割を担うタンパク質が軽度不足することで一番初めに提示したいくつかの症状(いわゆる不定愁訴と言われるような症状、軽度(病院では異常ないと言われる)だが本人としては困っている)が出現しても不思議ではないと思います。

 

 

タンパク質不足は、症状と、問診(主に食生活)、そして採血データでおおよそ目安がつきます。今お困りの症状がタンパク質不足で全て説明がつくかは分かりませんが、まずは是正することが症状改善への第一歩になると思います。

 

 

それでは、タンパク質はどのくらい摂れば良いのでしょうか?

 

タンパク質摂取量の目安


日本人の食事摂取基準2020年版によると、タンパク質摂取の目標量は以下の通りです。身体活動レベル別になっており、I=身体活動レベルが低い, II=普通, III=高い です。

 

 

摂取総エネルギーとの割合としては、13〜20%ほどを推奨しています。

 

先に紹介した総説論文(Food Funct. 2016;7(3):1251-1265)では、たんぱく質の1日推奨摂取量として以下を提案していました。

・最低限の運動量の人= 1.0g/体重kg  
(体重50kgなら50g/日)

・中程度の運動量の人 =1.3g/体重kg  

(体重50kgなら65g/日)

・激しい運動量の人= 1.6g/体重kg   

(体重50kgなら80g/日)

 

 

それでは具体的に、何をどれだけ食べれば良いのでしょうか?

 

何をどれだけ食べれば良いの?


代表的な食材の含有タンパク質の量は、

 

・牛・豚もも肉 80g →タンパク質  約 17g

・鶏もも肉 80g  →タンパク質 約 15g

・鶏むね肉、ささみ 80g  →タンパク質 約 18g

・赤身の魚 80g  →タンパク質 約 18g

・白身の魚 80g  →タンパク質 約 16g

・卵1個 可食部50g  →タンパク質 約 6 g

 

・豆腐 1/3丁 100g  →タンパク質 約 5-7g

・納豆 1パック 35g  →タンパク質 約 6 g

 

例えば、こんなサイトも参考になります。

https://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/protein.html

 

動物性タンパク質はとても優れた栄養源なのですが、特に牛肉や豚肉(赤い肉)を習慣的にたくさん摂取すると長期的には動脈硬化を助長したり問題を生じる可能性があります(BMJ. 2017;357:j1957)。若い世代が牛肉や豚肉(赤い肉)を食べ過ぎるのはお勧めしません。程々に。肉でしたら鶏肉がより安全です。魚も安全です。この辺りはまた後日触れたいと思います。

 

タンパク質摂取量が1食に偏らないように、3食に分散させた方がタンパク質の吸収が良くなります(Am J Clin Nutr. 2015;101(6):1330S-1338S)。

例えば、1日75g摂るなら、朝25g、昼25g、夜25gという具合です。

 

食べ物だけではなかなか採りきれない、という人もいるでしょう。

その場合は、プロテインを活用すれば良いと思います。

 

 

プロテインも活用


 

プロテインブームでドラッグストアやAmazonなどにはたくさんの製品がありますのでご自身で良さそうな物を選べば良いと思います。でもたくさんありすぎて何を選べば良いかわからないという人も少なくないと思います。

タンパク質の合成という意味では、ホエイプロテイン(whey protein)がベターとされています。

これが最高!という訳ではありませんが、布施が今のところお勧めの2製品を紹介しておきます。布施は添加物が少なくて、変な味がついていないプレーンが好みです。

 

WPI ホエイプロテイン 1kg プレーン味 NICHIGA(ニチガ)

2,960円(2020.9.2現在)。タンパク含有率93.4%と高品質でその割に値段も良心的。一推しです。まとめ買いだとお得です。粉が細かくて舞いやすいのと、溶けにくい、泡が多くなるのが難点です。

 

リミテスト ホエイプロテイン WPC PURE 1kg プロテイン LIMITEST (プレーン, 1kg)

1,795円(2020.9.2現在)。タンパク含有率82.1%と上記よりは少し低いですがめちゃくちゃ安いです。初めに購入してみるのは良いかもしれません。溶けやすいです。

 

20ccのスプーンすり切り1杯で、プロテイン粉末約8gです。

→タンパク質含有90%だと、タンパク質7.2g/1杯

→タンパク質含有80%だと、タンパク質6.4g/1杯

 

1回にスプーン3杯のプロテインを水に溶かして飲めば、概ね20gのタンパク質が摂れます。

シェイカーがあった方が溶かしやすいので合わせてご購入することをお勧めします。

例えば、

ザバスプロテインシェーカー (500ml)

343円(2020.9.2現在) 今安いですね。

 

※ 2020/10/06追記:最近はシェイカー使わず、こんな摂り方しています。

プロテインクリームを朝食として、デザートとして、おやつとして

 

 

まとめ


・タンパク質摂取不足の人は意外と多いです。特に若い女性。

・タンパク質不足で、様々な症状が出現し得ます。

・疲労、頭痛、めまい、イライラ、不眠などいわゆる「不定愁訴」の原因にもなります。

・問診と採血で概ね、タンパク質の状態は把握できます。

・今お困りの症状がタンパク質不足で全て説明がつくかは分かりませんが、まずは是正することが症状改善への第一歩になります。

・治療は、食事とプロテイン活用です。

 

思い当たる方は、ぜひご相談ください。

 

【参考文献】

・Wu G. Dietary protein intake and human health. Food Funct. 2016;7(3):1251-1265. doi:10.1039/c5fo01530h

・Layman DK, Anthony TG, Rasmussen BB, et al. Defining meal requirements for protein to optimize metabolic roles of amino acids. Am J Clin Nutr. 2015;101(6):1330S-1338S. doi:10.3945/ajcn.114.084053

・日本人の食事摂取基準(2020 年版) 「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書

・Etemadi A, Sinha R, Ward MH, et al. Mortality from different causes associated with meat, heme iron, nitrates, and nitrites in the NIH-AARP Diet and Health Study: population based cohort study. BMJ. 2017;357:j1957. Published 2017 May 9. doi:10.1136/bmj.j1957

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