身体の中の酸素が測定できる、酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)が話題です。
新型コロナ感染症の重症化の兆しを早期に察知する可能性があるなど、酸素飽和度測定が半年程前から話題となり、酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)が売り切れたりしています。当ブログでも何度か触れています。例えば、
読売新聞夕刊の記事にも協力しました
当ブログの記事をきっかけに読売新聞の編集の方とやり取りする機会を頂き、パルスオキシメーターに関する記事作成に少しだけ協力もさせて頂きました。9月12日の夕刊です。
そして、、、最近また大ニュースが。
Apple watchに酸素飽和度測定機能が搭載!
Apple Watch Series 6が9月下旬に発売となりましたが、革新的なウェルネス&フィットネス機能を搭載とのことで、「血中酸素ウェルネス機能」が装備となりました。つまり「酸素飽和度測定機能」が装備されたということです。appleのHPから引用します。
<引用開始>———————
血中酸素ウェルネスセンサーは、皮膚の自然な多様性に対応して精度を向上させるために、緑色、赤色、赤外線LEDの4つのクラスタと、Apple Watchの背面クリスタル上の4つのフォトダイオードを使用して、血液から反射された光を確認します。次にApple Watchは、血中酸素ウェルネスアプリケーションに組み込まれた高度なカスタムアルゴリズムを使用して、血中に取り込まれた酸素のレベルを70パーセントから100パーセントの間で表示するように設計されています。ユーザーが静止している間にはオンデマンドで確認することができ、睡眠中などユーザーが活動していないときには定期的にバックグラウンドで確認が行われます。すべてのデータはヘルスケアアプリケーションで確認することでき、ユーザーは血中に取り込まれた酸素のレベルがどのように変化するのか、時間経過に伴う傾向を確認することも可能です。
<引用終了>———————
睡眠中にはバックグラウンドで行われるということは、睡眠時無呼吸症候群の発見などにも期待できるということですね。
ただし、注意しておきたいこととして以下の文言もHPに記載されています。
<引用開始>———————
血中酸素ウェルネスアプリケーションでの測定は、一般的なフィットネスとウェルネスのみを目的として設計されており、自己診断や医師の診療などの医療使用を目的としたものではありません。
<引用終了>———————
睡眠時無呼吸症候群の診断はできませんし、低酸素の診断もできません。参考所見です。
それでも役立つことでしょう。
その精度はどの程度のものなのでしょう。。。
パルスオキシメーターは酸素飽和度をどのように測定しているのか?
これまでも酸素飽和度測定機能を備えていたスマートウォッチは複数ありました。例えば、
しかしながら、例えば上記のMafam T1の精度は??でした。
その理由は、おそらく光の波長ではないかと思っています。
そもそも、パルスオキシメーターはどのように酸素飽和度を測定しているのでしょうか?
指に挟むような通常のパルスオキシメーターは基本的に赤色光と赤外光を利用して酸素飽和度を測定しています。
酸素化された血液(HbO2)と酸素化されていない血液(Hb)に対する吸収率(透過率)に差がある赤色光と、あまり差がない赤外光の透過光量の比を見ることで酸素飽和度を測定しています(下グラフ参照)。
スマートウォッチの酸素飽和度測定機能や、酸素飽和度測定ができるスマホのアプリ の多くは緑色光や白色光を利用したものです。Mafam T1も緑色光を利用しているものと思われました。緑色光や白色光は、酸素化された血液(HbO2)と酸素化されていない血液(Hb)に対する吸収率(透過率)にあまり差がありません(白色光はグラフにありませんが、緑色光の少し右くらいです)。緑色光や白色光では、酸素飽和度測定の精度は落ちるのではないかと思っています(私見)。
酸素化した赤血球と酸素化していない赤血球の吸収率にあまり差がない緑色光を利用してどのように酸素飽和度を測定しているか、調べてみたのですが自分には今のところわかりませんでした。
もう一点。指に挟むタイプのパルスオキシメーターは指に向けて赤色光/赤外光を発して、そのうちの指を貫通した光を対側にあるフォトダイオードという受光センサーで感知しています。
スマートウォッチの酸素飽和度測定機能の場合は、貫通した光ではなく、反射した光を同側の受光センサーで感知しており、尚かつ、指ではなく手首という点が通常のパルスオキシメーターと異なります。これらが、測定精度に影響を与える可能性はあると思います。
Apple watchの血中酸素ウェルネス機能の精度は?
結論をいうとわかりません笑。
ただ、これまでのスマートウォッチと異なり、「緑色、赤色、赤外線LEDの4つのクラスタ」つまり緑も赤も利用していますので、これまでのスマートウォッチよりも高い精度が期待できます。
しかも、「4つのフォトダイオードを使用」とのことで反射光を4つの受光センサーで感知するとのことですのでこれも精度向上が期待できるかもしれません。
自分が知る限り、酸素飽和度測定という面ではCMS50Kというスマートウォッチがまあまあでした。これは緑色光ではなく、赤色光を利用したものでした。しかし測定するためにはスマートウォッチをしていない側の手指をスマートウォッチ側面に添えたり、あるいは自動測定するためには指につなげるケーブルが必要でした。
今回発表されたApple watchの血中酸素ウェルネス機能は、腕に装着したまま測定できます。バックグラウンドで自動的にも測定できます。利便性が高いです。そして「緑色、赤色、赤外線LEDの4つのクラスタ」、「4つのフォトダイオード」により精度向上も期待できます。
自分も予約しましたので、早々に入手できそうですので試してみたいと思います。
最新 Apple Watch Series 6(GPSモデル)- 44mmスペースグレイアルミニウムケースとブラックスポーツバンド
酸素飽和度が低い!!場合はこちらを参考にしてください。