ヨガで降圧作用が期待できるという話は何度か取り上げています。
例えば、こちら。
ヨガは、身体的エクササイズと、瞑想的な心理的要素が複合的に組み合わされています。
この研究は、その2つの要素の働きが経時的に作用することが示唆される感じでちょっと興味深いです。
Yoga in Arterial Hypertension.
Cramer H, Sellin C, Schumann D, Dobos G.
Dtsch Arztebl Int. 2018;115(50):833-839.
高血圧患者に対するヨガの無作為化比較試験(RCT)。
降圧剤内服中の高血圧患者75人(女性72%、平均58歳)を無作為に3群に分けた。
・ポーズありヨガ群;45分姿勢、45分呼吸、瞑想、relaxation
・ポーズなしヨガ群:呼吸、瞑想、relaxationのみ
・コントロール群:ヨガなし
ヨガは、週1回90分、12週間。
また、ヨガ群はマニュアルを渡され、自宅でもヨガや瞑想をするように促された。
24hの血圧はMobil-O-Graphというデバイスで測定。
結果
ヨガ介入後12週目の血圧(主要アウトカム)に関し、
ポーズなしヨガ群の24時間の収縮期血圧はコントロール群より有意に低かった(-3.8mmHg)。
ポーズありヨガ群のそれよりも有意に低かった(-3.2mmHg)。
拡張期血圧は群間の有意差は認めなかった。問題となる有害事象もなかった。
ただし、ヨガ介入後28週目の血圧(二次アウトカム)においては、ポーズありヨガ群の方が、ポーズなし群よりも降圧効果が高かった。
結論
ポーズなしのヨガは短期的な血圧低下に寄与する。
ヨガは降圧剤内服中の高血圧患者にとって安全であり、補助的治療として推奨できる。
長期的には、ポーズありのヨガの方が降圧効果が高いことが示唆される。
ということで、瞑想による副交感神経への影響が初期に出て、その後身体的エクササイズ、つまり、等尺性トレーニングと有酸素トレーニングの要素を含むヨガのポーズの効果が顕性化したのかもしれません。
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