マインドフルネストレーニングは孤独感と社会的孤立を減らす

投稿日: カテゴリー: 瞑想

高齢化社会が進み、高齢者の孤立が社会問題になっています。

特に、女性よりも男性の孤立が気になります。

 

さて、この論文。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30808743
Proc Natl Acad Sci U S A. 2019 Feb 26;116(9):3488-3493.

Mindfulness training reduces loneliness and increases social contact in a randomized controlled trial.

マインドフルネストレーニングは孤独感と社会的孤立を減らす;無作為比較対照試験

孤独感(1人であると感じること)、社会的孤立(1人でいること)は、健康状態の悪化、死亡率の増加の強力な危険因子の一つとして知られている。マインドフルネス介入で孤独感軽減と社会的接触増加の両方を改善できることが示唆されているが、マインドフルネストレーニングの何の要素が有効なのかは明らかでない。

・今現在の体験をモニタリングすること(観察)
・それを受け入れること(受容)

※「受容」:現在の体験に対する受容性、開放性、平等性の態度を含む包括的な概念

 

これらが、孤独感を減らし社会的接触を増やすプロセスには重要と推測。
今回の試験では、成人153人(平均年齢32歳、女性67%)をスマートフォンを使った14日間の3種類の介入を無作為に割り当てた。

(i)観察と受容の両方のトレーニング(Monitor + Accept; MA)
(ii)観察のみの訓練(Monitor Only; MO)
(iii)能動的管理訓練(Coping control)(分析的思考、問題解決のガイダンスにより能動的な治療を試みる)

(訓練プログラム: https://goo.gl/jhtbc1  )

 

日常生活における孤独感と社会的接触を測定するために介入前後の3日間を連続的に評価。

 

結果
Monitor + Acceptトレーニング群のみが有意な効果を認め、日常生活の孤独を22%減少、1日に2回の対話と毎日1人との社会的接触が促された。

 

結論
マインドフルネスで孤独感・孤立の軽減が期待できる。
今現在の体験を受け入れようとする意向が、孤独感・社会的孤立という社会的リスク要因を軽減する重要なメカニズムであることが示唆された。

 

この研究のサンプルは平均32才と若く、この年代の方々には適用できそうです。

一方で、高齢者に適用できるか不明ですが、マインドフルネスという選択肢があって、それを応用して社会問題をわずかでも軽減できる可能性があることは頭に入れておきたいです。

 

 

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