幸せは時間と文化を超えて人々が追求する基本的な価値です(2)。
幸せへの鍵は、ポジティブ感情を抱くことであり、それは良好な人間関係を築き、キャリアを成功に導き、永くより健康な人生を送ることにつながります(3)。
僕は常々「『幸せ』は生きる活力を育む最高の予防医療」と思っています。
つまり、ポジティブ感情を抱くことも最高の予防医療とほぼ同義です。
マインドフルネスにより、人は日常生活の中でよりポジティブな経験に注意を向けるようになり、ポジティブ感情を抱きやすくなります。マインドフルネスは医療において重要なものだと思っています。
(1)によるとマインドフルネスとは以下のように説明されています。
今この瞬間のありのままに集中し注意を向けて「観察」し、
それを開放性、好奇心、平等性の態度を持って「受容」する
そしてこの論文の研究の結論としては、
マインドフルネスの様々な要素の中で、ポジティブ感情を促している最も大きな要素は「受容」であるということです。
瞑想、集中、観察だけしても、ポジティブ感情も幸福感も「受容」を伴っている場合と比し、大きくは促されませんでした。「受容」がマインドフルネスのキモです。
「セルフコンパッション」という概念がありますが、これも「受容」ととても近いものです。
参考:https://self-compassion.org/wp-content/uploads/publications/SCS_Japanse_version.pdf
「現状起きてることについて過度に悲観的にも過度に楽観的にもならずに中立的に見て、そしてそのありのままを認めること」
「ありのままを見て、受け入れる習慣」
こんな感じのことを意識して生活するとポジティブ感情の向上に繋がることが期待できます。
【参考文献】
(1)Lindsay EK, Chin B, Greco CM, et al. How mindfulness training promotes positive emotions: Dismantling acceptance skills training in two randomized controlled trials. J Pers Soc Psychol. 2018;115(6):944-973.
(2)Kesebir P, Diener E. In Pursuit of Happiness: Empirical Answers to Philosophical Questions. Perspect Psychol Sci. 2008;3(2):117-25.
(3)Lyubomirsky S, King L, Diener E. The benefits of frequent positive affect: does happiness lead to success?. Psychol Bull. 2005;131(6):803-55.
以前に、こんな記事も書いていました。