活動アップさせつつ、新型コロナウイルス感染再拡大に備えましょう

投稿日: カテゴリー: ピラティスヨガ医療一般身体活動

活動アップで新型コロナ関連心身不調の解消を


世の中は4連休でもあり各地でかなり人出が増えているようですし、だいぶかつての日常が戻ってきています。良いことです。

それでもこの半年間の新型コロナウイルス感染拡大とその長期化を契機に、今なお心身の不調を訴えている方が少なくないことを日常診療の中で感じています。

新型コロナウイルスに感染して重症化してしまうのではないかという恐怖心・不安、自分が感染して家族や周囲の人に迷惑をかけてしまうのではという不安、経済情勢悪化、収入減少、失業等に対する不安、先が見えない将来・見通しのつかない将来への不安、自粛による生活環境変化によるストレス、自粛で夫や子供の在宅時間が長くなったことによるストレス、などによるメンタル不調。そして自粛による活動量低下とそれによる睡眠障害や体力低下・腰痛・肩こりなど身体的不調がメンタル不調を更に悪化させます。一口にコロナ関連の心身の不調と言っても原因が多彩ですし、症状も様々です。

少しでも日常を取り戻し、活動をアップさせ、心身の状態が改善に向かうことを期待したいです。

 

 

また新型コロナ感染は拡大する可能性が高いです


しかしながら一方で、人出が回復することにより再度感染者が増加する可能性は当然あります。

また、秋になり、冬になるにつれ、インフルエンザウイルスも含め、ウイルスの活動が活発になります。新型コロナウイルスも例に漏れません。また大きな感染の波が押し寄せるかもしれません。

まずは、デマや煽りの情報に振り回されず、正しい情報を身につけ、過度な不安や恐怖心を是正し、正しく恐れることが大事だと思います。そのためには客観的で正確なデータを把握することが大前提です。感染者が増えてきた時は、その感染者数の増減に一喜一憂するのではなく、例えば、適正な医療環境が維持できているか否かの指標と考えうる「重症者数」に注目するなど、マスコミの報道に惑わされない姿勢が必要となります。下記のサイトなどはデータ収集に役立ちます。

「新型コロナウイルス国内感染の状況」

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

「都内の最新感染動向」

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

 

合わせてやるべきことは、(もう聞き飽きたかもしれませんが)手洗い、手指消毒、咳エチケット、可能な範囲での三密回避です。

 

その上で、心身の不調の対策や予防に取り組むことが大切です。身体活動不足が、原因や悪化因子として大きな部分を占めている印象です。そこでおすすめなのがピラティスやヨガです。

 

 

ピラティス・ヨガはメンタル不調を軽減させる


ピラティスやヨガがメンタル不調の軽減に役立つことは様々な研究で示唆されています。

2018年Flemingらによるピラティスとメンタルヘルスに関するメタ解析論文(Complement Ther Med. 2018;37:80‐95. )では、8つの研究の計390人を対象とし解析され、ピラティスが抑うつ症状、不安症状、疲労感を軽減し、活力や健康関連の生活の質の向上することが示唆されました。

 

また、2018年Cramerらによるヨガと不安症に関する系統的レビュー/メタ解析論文(Depress Anxiety. 2018;35(9):830-843.)では、8つの研究の計319人を対象とし解析され、ヨガが不安レベルの高い人に対して効果的かつ安全な介入である可能性が示唆されました。

 

同様に2013年Cramerらによるヨガとうつ病に関する系統的レビュー/メタ解析論文( Depress Anxiety. 2013;30(11):1068-1083. )では、12の研究の計619人を対象とし解析され、ヨガがうつ症状の改善に有効であり、補助的な治療法となりうることが示唆されました。

 

 

ピラティス・ヨガはなぜメンタル不調に効果があるのか?


ピラティスやヨガは、以下のようなホルモンや神経伝達物質などを増加させることがわかっています( Int Rev Psychiatry. 2016;28(3):242-253) 

・セロトニン:精神の安定や学習能力向上などの働きを促す神経伝達物質

・内因性オピオイド:痛みの軽減や気分の高揚と関連しているタンパク質

・オキシトシン:ストレスを和らげるいわゆる愛情ホルモン

・GABA(gamma-aminobutyric acid ):リラックス効果のある神経伝達物質、γアミノ酪酸

・BDNF(brain derived neurotrophic factor):脳機能を高める脳由来神経栄養因子

 

これらにより、メンタル不調を軽減してくれるわけです。しかし、これらの現象は一般の有酸素運動でも見られます。

ピラティスやヨガは、通常の身体的運動に加え呼吸や身体認識(身体に注意を向ける)を重視し、瞑想的な要素を含んでいます。これにより一般的な運動プラスアルファの効果が期待できます。

ストレスホルモンであるコルチゾールを減少させ、交感神経刺激を緩和し( Int Rev Psychiatry. 2016;28(3):242-253)(強度の高い運動ではコルチゾールは増加し、交感神経刺激は亢進する)、大脳辺縁系活性を穏やかにさせ( Int J Yoga. 2011;4(1):3-6)、メンタル不調を更に軽減させます。

 

また、体幹、インナーマッスルを鍛えることで身体的な安定感や性機能の向上により自我の強化やポジティブ感情の増加につながる(J Exerc Rehabil. 2018;14(2):192-198)こともメンタル不調改善に寄与すると思います。

 

とりあえず始めてみることをお勧めします


とにかく、運動不足の方が多いです。

そんな方は、なんでも良いので運動を始めることを強くお勧めします。ジョギングでも、筋トレでも、水泳でも、ジムでもなんでも良いと思います。始めることが大切です。

ピラティスやヨガは、始めるハードルも、継続するハードルもとても低いと思います。その割に心身へ高い効果が期待できます。特別な道具が要りませんし、オンラインを活用し自宅で隙間時間で楽しめます。仮に新型コロナウイルス感染が再度拡大して自粛ムードが強まった場合でも、変わらずに自宅で楽しめます。運動が苦手な人は苦手な人なりに、得意な人は得意な人なりに楽しめます。運動習慣のない人でも、誰でも気軽に取り組みやすいことが大きなメリットです。

また、例えばピラティス・ヨガスタジオのZen Placeなら、オンラインレッスンに加えて、スタジオでのリアルレッスンも並行して行っていますので、たまにスタジオに足を運んでインストラクターや仲間と交流することもメンタルにはよく働きます。

 

ついでに、ピラティス・ヨガで感染症予防の効果も期待できるかもしれません。

こちらをどうぞ。

ヨガ、ピラティスを日常的に行っていると感染症が少ない?

 

コロナ禍で気が滅入っている人や運動不足の方、感染確率を下げたい方はもちろん、どなたでも気軽に始めてみることをお勧めいたします。

 

 

 

【参考文献】

・Fleming KM, Herring MP. The effects of pilates on mental health outcomes: A meta-analysis of controlled trials. Complement Ther Med. 2018 Apr;37:80-95. doi: 10.1016/j.ctim.2018.02.003. Epub 2018 Feb 13. PMID: 29609943.

・Cramer H, Lauche R, Anheyer D, Pilkington K, de Manincor M, Dobos G, Ward L. Yoga for anxiety: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Depress Anxiety. 2018 Sep;35(9):830-843. doi: 10.1002/da.22762. Epub 2018 Apr 26. PMID: 29697885.

・Cramer H, Lauche R, Langhorst J, Dobos G. Yoga for depression: a systematic review and meta-analysis. Depress Anxiety. 2013 Nov;30(11):1068-83. doi: 10.1002/da.22166. Epub 2013 Aug 6. PMID: 23922209.

・Govindaraj R, Karmani S, Varambally S, Gangadhar BN. Yoga and physical exercise – a review and comparison. Int Rev Psychiatry. 2016 Jun;28(3):242-53. doi: 10.3109/09540261.2016.1160878. Epub 2016 Apr 4. PMID: 27044898.

・Kalyani BG, Venkatasubramanian G, Arasappa R, Rao NP, Kalmady SV, Behere RV, Rao H, Vasudev MK, Gangadhar BN. Neurohemodynamic correlates of ‘OM’ chanting: A pilot functional magnetic resonance imaging study. Int J Yoga. 2011 Jan;4(1):3-6. doi: 10.4103/0973-6131.78171. PMID: 21654968; PMCID: PMC3099099.

・Roh SY. The influence of physical self-perception of female college students participating in Pilates classes on perceived health state and psychological wellbeing. J Exerc Rehabil. 2018 Apr 26;14(2):192-198. doi: 10.12965/jer.1836088.044. PMID: 29740551; PMCID: PMC5931153.

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です