アップルウォッチの9誘導心電図を記録してみました

投稿日: カテゴリー: デジタルヘルス循環器心拍

以前、携帯心電計や中国製のスマートウォッチで12誘導心電図を目指して記録してみたことがありました。

スマートウォッチ、携帯心電計で標準12誘導心電図を目指してみる

 

そして、その中でもクオリティ高く、操作性も良い携帯心電計Checkme ECGの9誘導心電図の記事がこちら。

 

三栄の携帯心電計Checkme ECGの9誘導心電図

 

最近、アップルウォッチ の心電図機能が使えるようになりましたので、同様にアップルウォッチでも9誘導心電図を記録してみました。通常の12誘導心電図と、Check meの9誘導心電図とも比較してみましょう。

 

標準12誘導心電図


 

携帯心電計Checkme ECGの9誘導心電図


 

Apple Watchの9誘導心電図


 

アップルウォッチ をつける位置などは、冒頭のリンクの記事を参考にしてください。

 

 

心電図がより身近になることは間違いない


なかなかクオリティの高い心電図記録を比較的気軽に得ることができます。

標準12誘導心電図ととても近い波形になっています。

Apple watchの心電図を記録するハード、システム自体は医療機器ではありませんので限界はあるのですが、それでもこれほどきれいな波形が記録できるのでうまく利用すれば有用な情報となり得ます。

患者さんご自身で9誘導を記録するのは少しハードルが高いかもしれませんが、無理なことではありません。

また、例えば訪問看護や訪問診療の際、胸痛や動悸などの何らかの心臓の異常を疑う症状を訴えた時など、標準12誘導心電計を持参していなくても、自分が装着しているアップルウォッチ を外して患者さんに着けてもらってこの心電図記録ができれば診断に直結する有用な情報になるかもしれません。

専用の携帯心電計はわざわざ所持していないといけませんが、アップルウォッチは「所持」を意識しなくてもほぼ常に装着しています。いつでも活用可能です。この差は大きいです。

スマホの出現で、専用の汎用小型カメラが淘汰されました。医療機器認証の問題などはありますが、実質的にはスマートウォッチの心電図機能は専用の汎用小型携帯心電計を淘汰することになるのではと思いました。

 

 

アップルウォッチの9誘導心電図を記録してみました” への5件のフィードバック

  1. 私は医療従事者ではございませんが、1992年2月に僧帽弁置換手術、2021年3月に左心耳閉鎖、三尖弁形成術手術を(2回とも慶應義塾大学病院にて)受けております
    2021年3月の手術後に最大200拍/分程度の頻脈が頻発しましたことから、入院病棟スタッフから紹介いただいたCheck me Lite(型名:Check me Lite ACV)を購入、日常的に心電図(ECG)記録を行い、主治医による外来受診時などに役立ていただいております。
    私が購入したCheck me Lite(型名:Check me Lite ACV)の取扱説明書では、本体電極または別売誘導コードによるⅠ、Ⅱ誘導による心電図記録方法しか記載がなく、普段はⅡ誘導による心電図記録を専ら行ってきましたが、ご紹介いただいているcheck meによる9誘導心電図に大変興味を感じ、自分も実践してみたいと考えております。つきましては、Check meで9誘導心電図を測定する際の機器の当て方や計測方法などについて、ご教示いただけないでしょうか?

    1. ありがとうございます。

      こちらのリンクの一番下の図が参考になると思います。
      https://clinic.zenplace.co.jp/2340/

      アップルウオッチの底面→Checkmeの向かって左側面の銀色の部分
      アップルウォッチのクラウン(つまみ)→Checkmeの丸い銀色の部分
      にそれぞれ該当します。

      側面の銀色の部分を図のような身体の部位に押し付けて、丸い銀色の部分を右手もしくは左手でつまむことで波形が記録できます。9誘導記録するためには9回記録しなければいけなくてちょっと手間です。

      それでもうまくできないという場合は、可能でしたら当クリニックをご受診いただければご教示いたします。

      ちなみに、不整脈検知が目的であればII誘導記録があれば概ねOKです。

  2. はじめまして。46歳男性です。
    24年前から不整脈(頻脈)の症状が不定期にあり、昨年末には心拍数160以上の頻脈が2時間ほど続き、血圧や体温も下がり、意識が朦朧として足に力が入らないような状態になりました。その状態ではとても病院に行けず、結果的には症状が落ち着いて病院には行けたのですが、やはりリアルタイムで症状が出ていないと確定診断はつけられないとのことでした(おそらく上室性不整脈ではないかと言われました)。

    以前ホルター心電図もつけたのですが症状は出ず、どうしたものかと困っていたところ携帯型心電図というものをネットで見つけ、探している最中に先生のHPにたどり着きました。

    不躾ながらひとつお伺いしたいことがあるのですが、AppleWatchとCheckmeでいま購入を悩んでおります。先生のHPを見ると前者の波形がより医療用心電図の波形に近い気がするのですが、後者も専用機器であり価格も安いのでどちらを購入するか迷っています。純粋に心電図の機能のみを比較した場合、もし先生ならばどちらを購入されますか?ちなみに当初はオムロンのHCG-801の購入を考えていたのですが、先生のHPを見て断念しました。

    お忙しい中、恐れ入りますがよろしくお願いいたします。

    1. ありがとうございます。apple watchなら常に身につけていることができるのが大きなメリットです。自分は双方持っていますが、現実的にはapple watchしか使っていません。

      でも「AppleWatchの波形がより医療用心電図の波形に近い」ということはありません。機器による波形の質の差は顕著なものではないと思います。むしろ記録方法の方が波形に影響が大きいと思います。機器を(腕よりも)胸につけて記録した方が、見やすい波形が描出される場合も多々あります。当初HCG-801の購入を検討されていたとのこともありますし、コスパの面も合わせて考慮すればCheckmeの選択でも良い気はします。

  3. お忙しい中、ありがとうございます。
    AppleWatch、checkme両機器で測定精度に有意な差はないとのことで、大変参考になりました。あとは意識せず常時身に着けられるAppleWatchか、価格面で優位なCheckmeか、じっくり考えて購入したいと思います。この度は貴重なご意見を賜り、誠にありがとうございました。

小笠原 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です